自己を肯定する方法

Cherishオンラインカウンセリング

臨床心理士・公認心理師のSayakaです。

 

先日、とある相談者様が

「自己肯定感って何ですか?どうやって自分を肯定すればいいんですか?」

と仰っていました。

 

 

 

「自己肯定」と言われると、自分の取柄やいいところを探そうとする人がいます。

 

「足が速い。」「スポーツが得意。」

「頭がいい。」「いい大学を卒業した。」

「異性にモテる。」

「仕事で役職についている。」

 

こういった

「地位や名誉や取柄があるから、自分を肯定できる」

という種類の「自己肯定感」を持っている人もいると思います。

 

 

でも大概の人は、自分の取柄と呼べるものが見つけられず、

「こんな自分を肯定できるところなんてない。」

「こんな自分は大嫌い」

と言う人が多いわけです。

     

自分の中で優れている部分、自慢できる部分、得意な部分は肯定しやすいです。

優れた自分を肯定するのも素敵なことだと思うのですが、

ここでいう「自己肯定」とは、自分の中の劣っていると感じる部分をいかに受け入れられるかということだと思うのです。

 

たまに、自己啓発系の本などで、

「どんな自分も好きになりましょう。」

「あるがままの自分も受け入れましょう。」

と書いてあるものがあります。

 

 

でも、虐待やいじめなど常に自分の存在を否定されるような過酷な環境で育った人には、これは非常に難しいことだと思います。

 

「自己否定」が強ければ強いほど

「自己肯定」はハードルが高くなります。

 

「自己否定」が強い人には

「無理な自己肯定」はおすすめできません。

拒絶反応、反発心、猜疑心しか生まれないからです。

 

 

だから、

「自分を全否定しない」

「自己否定を少しだけやめてみる」

「そこまで悪くはないところを見つける」

「少しだけ受け入れる」

この辺りから始めてみて欲しいです。

 

 

例えば、うつ病で会社を休職している人がいて、

「自分だけ働かないで家に居て、自分は怠け者だ。こんな自分はもう嫌だ。こんな自分は消えてなくなればいい。」

と思っている人が、

「働いていない自分が大好き。」

には、なかなかならないと思うのです。

 

せめて、

「働けていない今の自分は本当に苦しいし嫌だけど、でも今は仕方がないんだよな。」

と思えるくらいで十分だと思います。

 

さらに言えば、

「自己否定しかできない自分はダメだ」

と仰る人もいます。

「自己否定しかできない自分も仕方がない。」

と思えるだけで十分ではないでしょうか。

 

 

 

「少しだけ自己否定をやめてみる」

これこそが自己を肯定することにつながっていくと思っています。

 

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。